最終更新日 2020-12-19

デジタルやNewTechなどの動向を踏まえ、新たにコンサルで働く方に学んで欲しい知識の最新版とおススメの書籍を紹介します。
② 未経験でコンサルに転職される方
③ 今後のコンサルに求められる素養を知りたい方
目次
コンサルタントは勉強の連続
知識のアップデートが常日頃求められる
総合系・戦略系・IT系などどのようなコンサルに入社したとしても、入社後は勉強の毎日です。
これはコンサルタントは文字通り自分自身が「商品」として収益をもたらす存在である事から、自身の能力を継続的にアップデートする事が不可欠であるためです。
また現実問題として、コンサルでは得意分野以外の案件に携わる事も往々にしてあります。
その意味でも『 勉強慣れ 』をする事は自身がコンサルで活躍を続ける上では重要となります。
キャリー自身は決して多い方ではないですが、コンサルティングファームに入社以降は平均で毎年70冊程度の書籍を読み続けています。
新しくコンサルタントになる方が今後学ぶべき分野
これまではコンサルでは「課題特定・解決力」や「マーケ・経営」「会計・ファイナンス」「IT・テクノロジー」などがコンサルタントに必要な素養としてよく言われる分野でした。
一方近年はデジタルやAIなどのNew Techが実社会に大きな影響を与えています。そしてその大きな波は本来は変革を「促す側」のコンサルにも押し寄せており、近年は各ファームがこぞってデジタル等の組織を強化しています。
その意味では既に働いている方は勿論、今後コンサルティングファームに入る方にも一定水準の以下のような素養が求められて来ていると感じています。
その①ビジネス力
課題特定・解決力、マーケや経営、会計などの素養
その②データサイエンス力
統計数理や情報処理、アナリティクスに関する素養
その③データエンジニアリング力
得られた示唆や分析結果を実装・運用をするための素養
これはデジタルという大きな波がある事も然ることながら、特に戦略系・総合系のファームにおいて、
- 顧客企業の実行面への支援
- スタートアップ支援の組織や会社の新設
- 顧客企業との共同出資による新会社設立
を行うファームが増えているなど、コンサルティングと実行・実現・実装の垣根が徐々に薄まっている事が背景にあります。(なお上記につき、ネットで調べると各ファームの取り組みが色々出てきます)
このページでは上記の力の「基礎固め」に適していると思われる書籍を紹介していきます。
1. ビジネス力
① イシューからはじめよ
本書はコンサルタントにとっての必読書の一つで、特に経営コンサルや企画職をしている方人では知らない人がいない程『 教科書 』的な知名度を誇っています。
著者は現在ヤフー株式会社のCSOで、東京大学大学院生物化学専攻にて修士号、イエール大学の脳神経科学でPh.D.学位取得、マッキンゼーでの勤務など華々しい経歴を持つ安宅 和人さんが著者です。
そして、本書が紹介する重要度が高いイシューの見極め→仮説立て→イシューの分解→対策立案はコンサルタントの『 必須スキル 』です。
そのため先ず筆頭としてご紹介をいたします。
② 財務三表一体理解法
コンサルタントとして一定の財務/会計の知識は不可欠です。
本書は会計士など財務/会計の「専門家ではない」國貞先生が、ご自身が工夫・苦労をしながら会計を理解していったご経験から、財務三表全体を『 相互に連動 』させながら理解をしていく方法を示した名著です。
そのため簿記や会計を学んだ事がない人でも分かり易いですし、逆に簿記などを学び仕訳→Trial Balance(試算表)→損益計算書などを作る「ボトムアップ」の流れを理解した人にとっては「トップダウン」の見方も習得ができます。
こちらもコンサルとして理解すべき内容としてご紹介します。
③ マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則
言わずと知れた「ピーター・ドラッカー」の書籍です。
本書は大著『マネジメント――課題、責任、実践』のエッセンスを抜き出し一冊にまとめた本格的入門書です。
ともすれば日本語では「管理」とも訳されてしまいがちな「マネジメント」を、本来ドラッカーが伝えたい「実践であり成果を出すこと」という定義の元、マネジメントが果たすべき役割や取り組むべき仕事、さらには中長期的に考えるべき戦略について述べています。
様々なフレームワークを学ぶことも重要ですが、先ずはそのベースとなる「古典的教養」とも言える考えを学ぶ事がおススメです。
2. データサイエンス力
① 確率思考の戦略論
ビジネスにおいて「示唆のある」数字を捉える事は必須です。
この書籍はマーケティング業界の人材輩出企業のP&G出身のお二人である、USJ(ユニバーサルスタジオジャパン)のV字回復・大躍進を支えた森岡 毅さんと、同じくUSJで活躍されたデータサイエンティスとの今西 聖貴さんが著者です。
TDL/TDSと圧倒的なライバルが存在したテーマパーク市場において、2010年に730万人だったUSJの年間来場者数を2015年度には1,390万人とほぼ倍増させたのは「勝てる戦略」を追求した結果。
その根幹は統計を駆使し経営資源の集中投入分野を特定する、オペレーションとしてコンロトールをしやすいモデルを導入するなど『 戦略とアナリティクスを一体化 』させる、デジタルにも繋がる考えを紹介をしています。
データや確率を戦略に活かす「実例」としてご紹介します。
② シン・二ホン
本書は上記の「イシューからはじめよ」と同じ、東大、イェール、マッキンゼー出身で現在はヤフー株式会社CSOの安宅 和人さんが著者です。
この本はAIとデータ・エコシステムが当たり前となる未来において、自身のマッキンゼーなどのキャリアや政府の諮問委員会の経験を基に、日本と他の先進国と比した場合の「絶望的」な課題や、それを乗り越えるに十分なポテンシャルや実績を持つ日本が「勝つ」ために今後向かうべき先を、豊富なファクトや分析より説いてます。
そしてこの書籍でAIやデータが当たり前となる世の中で、個人が付けるべき力として英語力×課題解決力×データサイエンス力×データエンジニアリング力といった『 新素養 』を示しています。
キャリーが作成したこのページも、この書籍からかなりの影響を受けております。
本書はコンサルとしての知的好奇心を刺激されますし、何より社会課題への感度を高める上でおススメします。
3. データエンジニア力
①ゼロからはじめるデータベース操作
実際にデータベース(DB)を利用する場面に必要な知識を学べる書籍です。
本書はDB/テーブルの構造という初歩的概念から、WHERE句など実際にデータ抽出をするSQL文などのポイントを示しています。
著者は現在はシリコンバレーで技術調査と事業開発に取り組む第一線にいらっしゃるDBエンジニアのミックさんです。
いくらデータサイエンスやデータエンジニアリングが重要と言っても、DBの仕組みや構造とデータの抜き方を知らないと『 土台 』が抜け落ちている状況に陥ってしまいます。
多くの人にとってはDBやSQLなどは馴染みがない分野ではありますが、本書は「ゼロ」から学ぶというタイトルより遥かに充実した内容となっています。
勿論SQLの書き方まで覚える必要はないですが、実際のデータの活用方法を理解する上でおススメの書籍です。
② アルゴリズム図鑑 絵で見てわかる26のアルゴリズム
AIやプログラムなどの「裏側」にあるアルゴリズムの仕組みを紹介した書籍です。
著者は九州大学大学院システム情報科学研究科で博士号を取得した宮崎 修一先生と、「Appleの選ぶ2016年のベストアプリ」にも選ばれた京都大学大学院出身の石田 保輝さんです。
アルゴリズムというと難解なものをイメージされると思いますが、実はどんな言語でプログラムを書くにしても不可欠な要素となります。
本書はキャリーのような初心者に取っても馴染みやすいよう、基本的な26のアルゴリズム+7つのデータ構造をイラストで説明をしているのでアルゴリズムの『 基礎理解 』がしやすい内容になっております。
データエンジニアリングを学ぶ上ではプログラムを学ぶ事も一つですが、計算や処理の方法(=アルゴリズム)を理解する事も重要でるため、ご紹介をいたします。