【業界研究】外資系コンサルの案件の取り方について

【業界研究】外資系コンサルの案件の取り方について

最終更新日 2020-09-02

そもそも外資系コンサルなどがどのように案件を獲得しているか、プロセスのイメージをご紹介していきます。

本ページにて想定する読者の方
① コンサルの営業プロセスを知りたい方
② 一般企業との営業活動上の違いを知りたい方
③ コンサルが提案上意識している事を知りたい方

ベールに包まれたプロジェクト受注活動

どうやってプロジェクトが始まるのか?

外資系コンサルのプロジェクト管理の技法は、多くの書籍が世に出ています。

中でもBCGに所属した山口周氏が書いた『外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメントはかなり有名です。

一方でそもそも『 どのように 』プロジェクトが始まるかについては、そこまで世には広まっていないのが当方の印象です。

この理由は『コンサルティングファームでは誰が営業をしているか?というページでも紹介しましたが、所謂外資系コンサルではパートナー(役員クラス)が受注活動を行っている要因の1つと考えています。

コンサルタントとして自社の受注プロセスは把握すべき

コンサルでは受注活動をPD(Project Development)やBD(Business Development)と言ったりします。

ただ上述のように受注活動はパートナーの役目であるため、特にジュニアクラスの方の場合は上記の用語を知らない方がいらっしゃる印象です。

しかしながら転職や新卒入社、或いはクラスを問わず、自社のビジネスプロセスを把握するのはコンサルタントである以上は『 必須 』とキャリーは考えています。

そのためこのページでは基礎編としてコンサルの受注までのプロセスと、KFSとまでは言えないですが受注のために押さえるべき点をご紹介していきます。

受注に至るまでのプロセスの理解

受注に至るまでのプロセスの全体像

コンサルにおける営業プロセス

上記の図はコンサルティングファームにおける典型的な受注のプロセスを示しています。

ここで押さえたい点は、1つには受注に至るまでの自社の動きを明確にする事です。

そしてもう1つは自社の動きに連動する形で、受注に至るまでの『 顧客の動き 』を明確に把握をする事です。

顧客の動きの把握なくして受注なし

例えば顧客企業の事業計画が毎年どの時期に、どの部署が中心となって検討がされているかを理解する事は、自社が取るべき行動の明確化に繋がっていきます。

また別の例として提案書を作成するにあたり、

  • 顧客側はどのような評価軸を持っているか?
  • 評価軸を検討している顧客の部署はどこか?
  • 提案を承認するのは顧客の誰か?

といった事項を把握する事は、提案の質に影響をしてきます。

キャリーは前職の法人営業時代、顧客の年度計画策定時期、策定部署、承認者、実行者など、計画から現場への落とし込みに至るプロセスをクライアント毎に把握した上で提案を行うよう努めていました。

その事で結果として、

提案の時期を逃す
提案のピントを外す
提案をする相手を外す


といった事は減り、受注拡大に繋がってきました。

そして現在コンサルでマネージャーとして働く中においても前職の経験は相当活きています。
(まだ受注規模は大きくないですが...)

加えて自社のパートナー陣も同様の趣旨を重視している事から、顧客側のプロセスを正確に把握する事はPD・BD上の鉄則と言えるかと思います。

営業上押さえるべき点を明確にする

受注活動上押さえるべき観点の全体像

コンサルの受注活動における観点

上記の図は提案を進める上で押さえるべき観点のその内容を示しています。

ここで押さえたい点は、受注活動に「勝つ」ために満たすべきチェック項目を意識する事です。

そしてもう1つ受注を進める中で『 案件の筋の良さ 』を見極める上でもチェック項目を持つ必要性があるという事です。

案件の「筋の良さ」を見極める大切さ

提案に勝つ上では、顧客が抱える課題の理解やキーパーソンを押さえる事は必須です。

その上で顧客に刺さる提案となるよう、自社のケイパビリティやナレッジを活かしつつ、競合のファームと提案の差別化を図る事は王道と言えます。

そのため上記の要素は勝つためのチェック項目としては必須です。

ただ見落としがちなのが、クライアントが『 本心から 』案件を進めたいか否かの把握です。

例えば中計に明記されている案件や規制対応などは、顧客側も絶対やるべきと認識しています。

ただしある特定の部門や人物だけが進めたい案件などは、クライアント側の力学の変化や業績などによりストップがかかるリスクがあります。

加えてコンペには『 当て馬 』というものが存在します。

例として、実はクライアント側では既に発注先を決めているが、社内稟議を進める上で選定プロセス上の不備を指摘される事を避けるために「形式的」にコンペを行うなどのケースです。

その他にもクライアント側の予算とスコープがあまりに乖離した案件を受注をしてしまうと自社の収益性は勿論、デリバリーの部分で大炎上してしまうリスクがあります。

そのため良く所属するファームのパートナーが言う事として、受注活動を進める際にチェック項目を持たないと、

そもそも案件の勝率を高められない
加えて注力すべき案件が絞れない
それどころか回避すべき案件が見えない

という事です。

これはコンサルに限らずSIerやゼネコンなど、受注生産型のビジネスにおいては鉄則とも言えます。

コンサルの受注活動の補足

コンペに勝つよりコンペを避けるが鉄則

コンサル以外の業界も共通ですがコンペは「勝つ」事よりも「避ける」事が重要と言います。

これはコンペとなった場合の準備負荷は勿論、入札というプロセスを経る事で受注価格低下圧力が掛かる事ためです。

しかしながら顧客からの「単独指名」を受けるには、

強い信頼関係が存在する事
顧客が属する市場の構造を熟知している事
顧客の課題を理解・推定ができる事


が前提となるため、一朝一夕では行きません。

ただ「単独指名」で相談を受ける事ほど、コンサルタント冥利に尽きるものはないと思っています。

コンサルに入ったら一度は経験してみるべき

いわゆる外資コンサルのクライアントは日本や世界を代表する企業である事が多く、またクライアントの抱える課題を類推しソリューションを検討する「オーダーメード型」の提案であるため、かなりエキサイティングな活動とも言えます。

そのため一度は是非ファームに入ったら提案活動に参画 or お手伝いする事をおススメします。

勿論、最初から大役を任せられる事は稀かと思います。

ただアナリストクラスでも、そのような積極的姿勢は歓迎されますし学ぶ事も多いため、是非チャレンジをしてみて下さい。

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